
産婦人科医院をお客様にされているデザイン会社からのご依頼で、臍帯ケースを作らせていただきました。
半世紀近く前は四角い桐箱がほとんどだったように記憶しています。
こちらはメープルで作りました。

本体と蓋のあわせの部分をきちんと作らないと、しっかり閉まりません。
これはネジの原理です。
かつて設計士が図面をひく製図台は木製で、組み立てには木で作ったネジを使っていました。
今はすべてパソコンでの作業。鉛筆と製図板は画面とマウスに変わりましたが、ネジは残りました。
火災前の本社工場には、木製のネジのサンプルがありました。
大切なものがたくさんあって、たくさんの大切なものは灰に帰しましたが、こうしてまた製品をうみだすことができました。
人の一生に寄り添える製品を作りたいー。
常々そう考えて木と向き合っています。
この臍帯ケースは「誕生」を彩る製品。
これから歩む人生の〝はじまり〟を大切にしまうための容れ物です。
まだ事例はありませんが、いずれは永遠の眠りにつく場所として棺の製作も考えています。