富士屋ホテルさんの椅子の修理

椅子の修理のご依頼。
タイルの床の上に設置される、富士屋ホテルさんの椅子です。

今回のテーマは、「長く使用していくための工夫」。
椅子に腰かけるにあたり、気を付けることは座り心地。
やはり、空間に応じた「しつらい」というのは重要視されるところでもあります。

空間もさることながら、ホテルさんのような什器の活用は、長い目線でのランニングコストも重要視されます。
メンテナンスをしながら、長く使い続けてもらいたい…今回、長い目線で考える椅子の工夫です。

富士屋ホテルさんの椅子の修理

≪課題として≫

・もともとの椅子の脚、床との接地面に対し平行でなかったことから、座椅子の安定が悪い状態でした。
・ラタン(籐の部分)は、座った際に足があたります。
・座椅子に座り、椅子をひいたりするだけでも、椅子の脚はタイルの素材で削れてしまいます。

≪課題を克服するために、このような工夫をしました≫

・もともとの椅子の脚の底が、床との接地面に対し水平でなかったことから、座椅子の安定が悪い状態でした。
→接地面に対し脚の底が水平になるように、脚の長さをきれいにけずり、揃えました。
(1.2 画像参照)

・ラタン(籐の部分)は、座った際に足があたります。
→座った時足が当たり引っかからないように、ラタンを接着させ硬化させます。

・座椅子に座り、椅子をひいたりするだけでも、椅子の脚はタイルの素材で削れてしまいます。
→タイルの素材で削れてしまうのを逆手にとって、プラパード(プラスチックの部品)をつけて、
定期的に交換できるように新たにカスタムしました。

※プラパードは、木製イスの脚部分のすり減り防止、床面の保護に使われるパーツです。
材質は、様々で今回はプラスチックを使用。
(3.4 画像参照)

富士屋ホテルさんの椅子の修理

毎回椅子を一脚づつ修理するという必要がなくなります。
簡単に部品の着脱が可能なプラパードを採用。
プラパードの交換をホテルの従業員のかたで交換することで、修理に関わるランニングコストを抑えられます。

カスタムの工夫が生きる今回の仕事となりました。
使用の際の、経年劣化でメンテナンスするサイクルを、富士屋ホテルさんで実践してもらいたいです。