小田原三の丸ホールの看板を作製

千年物語 小田原の木

2021年9月5日にオープンした小田原三の丸ホールの看板の作製をいたしました。

オープン記念作品として、9人の作家職人による作品の紹介となる看板です。

小田原は、1000年以上の歴史をもつ木工の産地でもあります。
今でも、木工職人さんの工房は、小田原のまちのいたるところにあります。
しかし、昔は今以上に沢山あったのだと先日ラ・ルースの職人である日下部さんが教えてくれました。

小田原の技を未来へ伝えていくため、挽物・漆・指物・寄木細工・木象嵌(もくぞうがん)・家具などの様々な木工業に従事している若手作家職人たちが集結し、その技を競い一つの作品に作り上げていくプロジェクトとして、千年物語が製作されました。

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ラ・ルースの看板製作の一部裏側をご紹介

【デザイン】

お仕事の依頼を頂き、担当の方とラ・ルースのデザイナーが打ち合わせ。
看板に表記される、英語表記や、校正のチェックができる様にデータを作製。
担当の方がイメージしやすいよう、原寸大の図面のご依頼もあり、さくさくとデータの作製に取り掛かります。

【製作】

担当の方からの確認がとれた後、製作に取り掛かります。
デザイナーが作製したデータが、レーザー刻印担当のスタッフに渡されます。

小田原三の丸ホールの看板を作製
レーザーを刻印するための trotecのレーザー加工機

【材】

材は、小田原・箱根の間伐材ヒノキ材を利用。
縁の部分には、コクタンの材で埋め込みされたラインが入っています。
これは、職人さんが作ってくれました。

小田原三の丸ホールの看板を作製



レーザー刻印担当のスタッフは、ヒノキ材を使うため、CNFで下地をつくります。
最先端の技術で、木材の変色や柔らかい材の強化をしてくれます。
さらに、ポリウレタンの塗装を2回。
乾いた後、塗装が固まったざらざらをやすりを使ってなめらかにします。

下処理が済みました。
木材の全面にマスキングテープを貼ります。
凄くきれいに貼られているので、質問したら、ネイルアートの際使用する道具をうまく活用して貼っているという事でした。
空気が入ることもなく、木材に密着しています。

小田原三の丸ホールの看板を作製

レーザーで刻印し、一文字づつ墨入れを行います。

マスキングテープをはがした後、仕上げに入っていきます。
オイルを塗りながら、目の細かいやすりで磨き、つるつるにしていきます。

肌触りがなめらかなので、本当に木材なのか!?と二度見してしまうのです。

【人へ伝えることの課題】

作り手の想いが、木を通して伝わればいいなと思いますが、なかなかそれを一般の方に伝えていくのにも限度があります。
ラ・ルースでは、こうして、ブログで情報を発信することももちろんですが、最近では、目に見える形で、作製した看板などにメッセージを入れさせて頂いています。

小田原三の丸ホールの看板を作製

何を相手へつたえたいか。
どのように、相手へ伝えていくのか。


『千年物語 小田原の木』というプロジェクトでの木工業に従事している若手作家職人たちが手仕事としてやっていること。
技術の継承として、これから先につないでいけるのか。

先人から学ぶものづくりの原点に立ち返りながら、時代を見極めながら物事を作り上げること。

10年後、20年後と時を重ねて、若手の職人の技術が2021年の自分たちの技術をどう感じていくか。

そういった人へ伝える事の課題という視点でも、見た人がどのように感じていくか、作り手がどのように感じていくか…
大変面白いこれからの時の流れを感じられる仕事となりました。

今回の看板には、ラ・ルース社長の相田秀和も、世話役として刻印されてます。
今後の未来へとどうつなげるかの課題を、世話役からの視点から話をしたことをのせておきます。