先日、MDFで、大久寺さんの御朱印帳を製作させていただきました。
その後の御朱印帳の様子などを、大久寺副住職の小林さん
とメールを介して、お話を伺うことができました。
ものづくりが好きな方、始めようと思う方に。
また、MDFの考え方・環境に関わる視点が面白いなと思いました。
ものづくりをする中で、非常に深いお話のやり取りを共有させていただきます。
■大久寺さんの御朱印帳
小田原藩主大久保家菩提寺
日蓮宗 寳聚山 大久寺
副住職 小林さんの『モノづくり』のお話
大久寺として、いわゆる「モノづくり」は初めてでした。
コロナ禍が続いて小田原や箱根に人が来ない日々の中、
お寺として何か人が来るきっかけを起こせないかと考えていました。
昨今はインスタ等のSNSで御朱印がブームだったので、
2020年夏頃に大久寺としてもSNSを活用して広く御朱印事業を始めたところ、
こんなにも人が来てくれるのかと驚きでした。
その流れで、大久寺のオリジナル御朱印帳を作ろうと思った次第です。
ただせっかくなら、どこにでも売っているような中途半端なモノではなく、
小田原の魅力を込めて地元をアピールできるようなモノにしたいという思いが根底です。
しかし初めてのモノづくりなのでどこから初めても良いか分からない。
とりあえず大事なのはデザインだと思い、小田原に縁のあるデザイナーさんを探したところ、
鈴廣かまぼこの鈴木結美子さんにたどり着きました。
ダメ元でネット上のアドレスに連絡したところ、ご快諾下さりました。
私が大学時代に環境経済学という分野を専攻しており、森林保全や林業問題をかじっていたので、
小田原の間伐材等を使用して作れないかと提案したところ、ラ・ルース様をご紹介頂きました。
当初は間伐材を考えていたのですが、まさかの辻村農園様の300年超えの杉材はいかがかと、
相田社長より見せて下さり、こんなにも価値ある材を使わせて頂けるなら本当に有難いとお願い致しました。
紙や製本の質にもこだわってしまったので、御朱印帳としては比較的高価なモノになりますが、
その価値を理解して下さる方々がたくさんいることに嬉しく思っております。
ざっくりですが、経緯としてはこのような流れになります。
お寺としては初めてのモノづくりで、不安なことだらけでしたが、
ラ・ルース様をはじめ助けて下さる方がたくさんいることに、感謝感謝の企画でした。
■MDFとは・・・
今回の御朱印帳は、『MDF+300年のスギの突板』といった材です。
MDFは、「Medium Density Fiberboard(ミディアム デンシティ ファイバーボード)」
の略で、日本語では「中質繊維板」や「中密度繊維板」などと訳されます。
木材の原料チップを粉状に繊維化してから成形した板を総称して
『ファイバーボード』と呼ぶそうです。
MDFの特徴として
・MDFを作るためだけに森林伐採を行う必要がない
・SDGsや環境問題にも配慮できるリサイクル性の高いエコな素材
・本来なら廃棄するはずの材料から作られている
・手頃な価格のものが多い
そのような点も魅力のひとつです。
ヨーロッパでは、MDFはSDGsといった点でも、評価が高い素材です。
■MDFの日本のモノづくりについて
MDFの廃棄には、『燃やす方法』があります。
接着剤が燃えると匂いやガスが出て環境的にどうなんだ!?という視点
昨今の日本では根強い部分があります。
それは、日本でものを「処分」「廃棄」するという観点も含めたモノづくりといったところも
あるのかなと思います。
■御朱印帳をMDFの素材で提案した理由
上記のような背景があるMDF。
今回MDFを提案した何か理由があるのかを
社長に聞いてみました。
御朱印帳は、お寺や神社へ参拝したときにいただくものだから、
一生もの。だから、今回の御朱印帳は、生涯かけて持っておくもの。
MDFを使用する観点としては、『ヨーロッパのような視点からのものづくり。』
考え方の視点を変えるだけで、深く感じられる今回のご依頼。
本当にありがとうございました。
【OEM】大久寺さんの御朱印帳を製作
https://la-luz.co.jp/daikyuuzi_gosyuin/(2022-11-10 投稿)