【OEM】木製の看板のメンテナンス

お茶室に掲げる木製の看板『茶室扁額』というそうです。

TAKUMI館のお客様で、珍しいご依頼がありました。

「亡くなられたお爺様の茶室入口の看板(表札)
月日を重ねた味わい深い雰囲気は残したいが、
劣化し始めているため表面を塗装などで保護したい。」
というご要望でした。

【OEM】木製の看板のメンテナンス
【OEM】木製の看板のメンテナンス
【OEM】木製の看板のメンテナンス

■大きさ
屋内で横の長さが45~60cm程度 屋外では横50~75cm程度が一般的です。
今回のご依頼は、60cm程度のサイズ感。

大切に唐草模様の風呂敷に包まれてラ・ルースにやってきました。

■お茶室に掲げる木製の看板の種類

扁額(へんがく): 門戸または室内に掲げる額面のこと。茶亭には必ず席名を扁額として用いる。
濡額(ぬれがく): 掛額の一種。屋根の切妻や廂の下の壁面などに掛ける木製の字額をいう。
庵号や茶亭などに因んだ文字の字形を、松や欅材に彫付け、胡粉などで着彩したものが多い。

(淡交社 原色茶道大辞典より)

看板を掲げる場所によって、名称が異なるようです。
今回、お客様のお話によるとメンテナンス後は、室内での保管という話でした。

■メンテナンス後の実情
洋館や数寄屋、茶室など古い建物の見学に行くと、学芸員さんの説明の中でこんな話を聞きます。
・きれいに補修している
・保管状況が良くない
・せっかくメンテナンスをしたが、作業が粗雑で状態が良くないものがある

調度品のメンテナンスという点で、考えたときに、
状態をみてやり直すことができるのか…
材料が現在も存在するのか…
など多角的な視点でのメンテナンスが必要となるそうです。
また、費用面や技術面でメンテナンスが可能かどうかも大きな問題があります。

メンテナンス前と後

【OEM】木製の看板のメンテナンス
【OEM】木製の看板のメンテナンス
【OEM】木製の看板のメンテナンス

■ラ・ルースでのメンテナンス

わびさび…と思えば風情はあるものの、
古くからある看板を状態を維持したまま先に長く使い続けられる状態にしていきます。

1)看板の木部の汚れを丁寧に洗浄します。

2)塗膜をつくらずに、「木質強化・保存」の為の塗料を薄く塗りました。
神社仏閣の建物や門、木造文化財、劣化防止、修復などで使用実績があるものです。

3)その後、オイルを塗って、材質の色や木目の美観を整えていきます。

長く維持できるようにメンテナンスをしていきます。
工程をシンプルにすることで、メンテナンスを続けていくことができる。

保護のために塗膜を作るのではなく、木目の状態や質感を見せるオイル仕上げとしています。