2022年1月。
この度木工団地の塀ができました。
街並みを観察すると、
・エクステリアカタログに掲載されるデザインに特化した塀。
・RCのブロック塀。
・スチールやアルミなどの素材の塀。
・鉄平張りの塀など様々なものがあるかと思います。
今回、木の使い道を増やす目的としての塀をご紹介いたします。
■利用
木製の塀を『点』で利用するのではなく、地域全体を『線』で塀で繋げます。
木を扱う会社があつまる木工団地を対象地として、立証実験も兼ねています。
■変化
視点場をそろえて、写真を比較してみました。
撮影の時期が違うため、少し違いが出てしまいましたが、以下のようになっています。
1)景観:見た目の印象
おかれたコンテナは、威圧感と鬱蒼感。
倉庫感を感じる無機質な印象をうけます。
おかれたコンテナは、木製の塀が空間を緩衝。
コンテナのシャビー感が空間を引き立たせています。
有機質×無機質の化学反応が生まれております。
2)防犯:区分けをしたことでの安全面確保
コンテナの錆が、年季の具合を感じさせます。
少し、怖い印象をうけます。
区画が分けられていないため、敷地を突き抜けての通り抜け。
人の動線が誘導できていないため、防犯上も心配があります。
お天気の日に撮影していることもありますが、空間のトーンが少し明るくなりました。
コンテナの利用も考え塀の長さを使用用途や導線にあわせて変えることができます。敷地との境目ができることで、目線の位置や、空間のまとまりが出てきました。
3)遮蔽:プライバシーの保護、修景効果
もう少し、ひきの写真が欲しいところでした。
コンテナの存在感をより感じます。
駐車場との境目にも塀ができたことでの一体感。
敷地内においたモノも、遮蔽の意味を持ちます。
そのため、プライバシーも守られます。
■観点
・全長400mにもなる木材の塀はどのようにしてエイジングされるのか。
・木材は、塗料など様々な工夫をし、変化を見ていきます。
・素材の活用の仕方、加工の違いのバリエーションを増やすことで、お客様の利用に応じた提案が可能になります。
これらの観点から、コスト面でも参考になるお話につながっていきます。
■耐久年数
耐久年数5年を想定しています。
課題として、
・個人宅での5年は短いのではないか。
・ランニングコストとイニシャルコストの対比。
・なるべく、長く使用するための最善の加工の工夫。
利用を考えるお客様の予算に応じたご提案につなげられることにもなります。
耐久年数もさることながら、経過していく木材の風合いを最大限に生かす方法を模索していきます。
2012年施工の塀は、無塗装です。
10年の月日が経過しました。
経年変化とともに、色も「燻銀(いぶしぎん)」となりました。
社内ではそう呼ぶようにしています。過去の施工の様子がブログとなっていましたので、以下ご参照ください。
■塀の活用が終わった後のこと
塀として役目を終えた木材は、燃料としての『もしき・薪』に活用も可能です。
再利用するという意味でいえば、塀だけの役目ではなく、そのあとの未来につながる利用の活用が生まれます。
環境負荷への軽減という視点も大きくとらえています。
循環できる材料で、循環した空間の利用ができるきっかけになるかと思います。
構造は、基礎はRC。
・RCに直接木材の心材をうちこんでいます。
・RCに触れる部分は、木材に塗料の加工して、腐食や変質をふせいでいます。
・木材の固定は、頭部形:サラ頭の金属のねじでとめています。
素材は、至ってシンプルなものを使用しております。
≪まとめ≫
『点』より『線』での活用にすることによる一体感がでます。
ナチュラルな資材を使うことでの環境負荷を抑えられることが期待できます。
小田原・箱根産の地域の材を使用することで、地元を盛り上げる一助になるきっかけになりそうな気もしています。
県西エリアのお住いのかたは、是非自宅のフェンスを作る際のサンプルになりますので、
お近くにお寄りの際は、お立ち寄りいただき、ご覧いただければ幸いです。