小田原市内の桜が満開になって見頃を迎えた4月中旬、小田原市内の財産区林で植林体験を行いました。
3月下旬に寿司ネタケースの撮影で伺ったハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ様から、
社会貢献事業の一環として、地域の産業に携わる体験をしたい、というご相談をいただいたのがきっかけです。
寿司ネタケースの材は桐でしたが、ラ・ルースがつくる商品の多くは、小田原・箱根産のヒノキやスギ製。
それらの木が、どのような場所で生き、どのように手入れをされて育つのか、直接見て、知っていただく貴重な
機会として、小田原市森林組合・佐藤健さんのご協力のもと、植林体験実現のはこびとなりました。
ホテルからは、岸 琢也総支配人をはじめ5人でのご参加です。
佐藤さんのご案内で到着したのは、箱根ターンパイクの料金所から車で10分ほどの山の中。
街の音や人のざわめきなどは一切届かない場所です。
植林に先立ち、まずは森のはたらきを写真とイラストメインで構成した紙芝居で見せてくださいました。
普段、市内の小学5年生を対象に木育授業を行っている佐藤さん、しみ込みやすい言葉でレクチャーしてくれます。
途中、山の中で拾った鹿の角なんかも登場し、皆さん興味津々です。
ブログ担当も何度か小田原の森の話は聞いていますが、今日いちばん耳に残ったのは、スギはヒノキよりも1.5倍成長が早く、ヒノキはスギよりも1.5倍価格が高い、ということ。
毎回違うポイントが記憶に残るのがおもしろいです。
お勉強の時間が終わり、植林現場に移動。
と、その前に、ここから苗を持ち出します。
この日植えるのは、ヒノキ。
根が乾かないように土に埋めてあった苗を、ある程度土を残したままザックに移します。
一人1本クワを持ち、見晴らしのいい植林現場に着きました。
佐藤さんから注意事項のあと、いよいよ傾斜地での植林がスタート。
佐藤さんのお手本。
(余談ですが、背後に見えるのは害獣対策の網です。
それでも、植林場所にはウサギのフンがぽろぽろ。
草だけを食べているので匂いはないですよ、という説明通り、無臭のフンがそこここにありました。)
クワで深さ20センチほどの穴を掘り、ヒノキの苗を葉の表が南に向くようにして真っ直ぐに植えます。
根の周りに土を戻し、軽く踏んだら完成。
作業をしている間も苗の根を乾かさないように注意しながら、皆さん、気づけば夢中で土をおこしていました。
今回の植林は、ハイアット社が掲げる〝World of Care〟の取組のひとつとして実施したもの。
苗を入れたザックとクワ、同社のロゴをセットで撮影していたら、後ろで懸命にクワを振るう弊社社長の姿が入っていました。
作業は進み、最後の1本はお二人で力を合わせて。
およそ1時間、傾斜地を動き回り、約50本を植えていただきました。
清々しい表情の皆さんです。
後日いただいたご感想を、一部紹介させていただきます。
「小田原に越してきて一年。今日の体験で、より小田原を好きになりました」
「紙芝居から植林まで、とても多くの気づきがありました。日々森を守ってくださる方々に感謝です」
「山や森は紡いでいかなければ、未来へ届かないと強く感じました。時代の一部に関われてとても満足です」
「苗木から1本の立派な木になるまで70年と聞き、またその間の保守作業や手間を考えると頭が下がる思いです」
「自然の恵みをいただいて暮らしている自分たちも自然の一部であることを忘れないようにしたいと思います。とにかく、自然の中でのひとときは、気持ちよく楽しい!エネルギーをいただきました」
植林を終え、相模湾を眺めながら山をくだりました。
晴天のもと満開の桜の下を多くの車両が行き交います。
サイレンやクラクションなど届かない、人のざわめきさえもない自然の中で呼吸する気持ちよさを、久しぶりに味わえた一日でした。